気持ちの切り替え
負けた後の気持ちの切り替え、難しいですよね。
自分の対局で負けるのも落ち込みますが、自分が応援している棋士が負けるのも相当くるものがあります。
叡王戦、第1局の翌日は一人旅なのでただでさえ心細い上、心が弱っていて観光もあまり楽しめませんでした。が、第2局以降はさっくり気持ちを切り替えて折角の機会を楽しむように心がけています。
第3局の翌日は仙台市内をレンタサイクルで回りました。どこに行っても新緑と藤の花が美しくて、曇天で日差しも柔らかく風も爽やか、とても良かったです。ちょうどハーフマラソン大会が行われていて車椅子マラソンのランナー達を初めて生で見て、その懸命さに打たれたり。
観光スポットが丘陵の上なので電動アシストが重宝しました。(東京と同じ、ドコモの自転車シェアが仙台にもあります。東京ではアシスト強モードなんて使ったことなかった・・・。)
羽生さんは有名な一手頓死の翌日ディズニーシーで遊んでいたとのこと。強さというのはメンタルの強さでもあるんですね。
自分の対局の後でも、羽生さんを見習って気持ちを切り替えるようにしたいと思います。
受け過ぎ・負け過ぎ
GW、いつもより将棋を指しているのですが負けまくっています。
今までは勝てていたずいぶん下のレート相手にもバンバン負けてます。
教室での指導対局でも「受け過ぎておかしくしてしまいましたねー」。
相手の攻める手ばかり見えて、自分の攻める手が見えない、見えても大して効果ないように思ってしまう、しかもうっかりや勘違いが多発するという状況です。
指す将第2局では苦手の相振りになり、相手の狙い筋ばかり見えて攻め合う手が全く見えず。どんどん押し込まれて、投了するために最後華々しい局面を作る、という将棋になってしまいました。(思い出王手を掛けてタダ捨てするか、本譜の順にするか考えてました…こんなことをやっていると精神的に参っていた前期と変わらないですね。)
棋譜を見直すと、相手の飛車の筋を勘違いしていて十字飛車(および王手で飛車を出て横に転換する狙い)の筋が常にあるものと思っていました。アチャー
激指先生によると途中まではうまく駒組みできていということですが、飛車転換の筋を受けようとしてどんどんおかしくなったということのようです。序盤ヘタな自分としては、ふだん指さない相振りの駒組みを途中までちゃんとできてたというだけでなんだか嬉しいです。
負けまくっているのですが負けるのが怖くなくなって気軽に指せるというプラス面もあります。(また負けちゃうんだろーなーとか思いながら指していたりするのですが)レートがもったいない気持ちはありますが、指し慣れることができるのは良いことかも。
時間の使い方
長考派は時間で負けるのはある程度仕方ない、納得した手を指したい、と思ってるのでは。自分の場合はそうなのですが。
ただ、時間で負けても負けは負け。勝ち負けしか意味がない勝負将棋では時間の使い方が重要になります。
まずは自分の時間の使い方を振り返ってみます。
指す将第1局の対ほりさん戦。
48手目の時点でほりさん残り7分、自分残り10分。序盤は時間的には優位に立てるのが、振り飛車を指すメリット。
形勢は、客観的には互角ですが自分としては良く指せてる方だと思っていました。序盤でもっと悪くなってて頭を抱えながら指すことの方が多いので。歩損で歩切れとはいえ主導権を握って攻めていけて自玉も堅いし。
予定は▲5三銀なのですが数で負けているところにブチ込んでいくので筋が良いとは思えないところ。▲4五歩で銀を動かして5三の地点の数を減らすとかありますが、歩損を拡大して玉頭に嫌味つけられるのでやりたい手でもなく。同飛と取られてなんでもない、という展開もありますし。
ということで、読むというよりは悩んで5分使いました。残り5分になって時間が逆転。
52手目の局面。
△5三同金を読んでいたら△同角と取られてびっくりした局面。
直観は▲6五歩、しかし△同桂から5筋を抑えられる展開とか△同飛から成り込みが受からないとか攻められるのが気になりました。▲1一角成で馬を作っても△2二銀△1一銀打で捕獲することも可能だし。馬を捕獲されてしまうと角と銀香の二枚換えとはいっても歩切れで攻めの拠点がなくなってしまい一方的に攻められる展開になりそう。
▲8四銀なら▲7三銀成が△同飛と取られない(取ると▲6五桂で飛車角両取り)で桂を外せるので得、とこちらを選択。
▲5三飛成〜▲9七角で飛車金両取りの筋とか全く見えてませんでした。
ここで5分使って秒読みに突入。秒読みとはいっても1分あるのは30秒とぜんぜん違って心強いです。
ということで、序中盤については
- 1分程度かけると、直観で見えなかった別の手が浮かぶ
- それ以上かけても、見えない手は見えない、迷って時間を消費するだけになる
- 相手の応手をいろいろ考えてもまず当たらない
「初級者は読む材料がないから時間をかけても無駄」と言われますが、振り返ってみるとまさにそのとおり。手が見えない(=良い手の候補が浮かばない)のに時間をかけても効率が悪いです。見落としも時間をかければ防げるかと言えばそんなことはない気がします。
- 序盤で知ってる形の間は早く指して時間を残す
- 中盤の勝負どころで1分〜2分程度使うのは許容
- 中盤で時間を使うのは、先を読むよりも別の手を探すのに使った方が効率的(視点が局所的になりがちなので、戦場から離れた場所の駒を動かすのが盲点になりやすい。そして手筋を知らないと指し手が浮かばないので、初級者は手筋や形を覚えるのが重要)
- 先の展開を読むのに時間を使うのは秒読みに入ったあとだけで良い
- 切れ負け・1手30秒・1手1分で時間の使い方を意識的に変えないと
- 集中していると気がつかないうちに時間が過ぎていてびっくりするので、時計には意識を残すように心がける
あとは時間の使い方をどう練習するかですね。同じ時間設定で練習しないとあまり意味がない気が。
序盤に◯分、中盤に◯分、終盤に◯分、という配分が意識して出来るかどうかチャレンジしてみようと思います。
叡王戦第2局
金井先生得意の矢倉、ずっと先手の攻めがわかりやすく後手の手は難しい状況が続きました。熟考の末優位に立ったものの持ち時間に差がつき過ぎてしまい…。
高見先生の、端からじっくり手を作るのを間に合わせたり確実な攻めを見せて追い詰める勝負術が冴え渡りました。参考になる指し回しで感心しました。
叡王戦本戦から、二人はずっと後手番で勝ってきたのですが、はじめて先手番が勝ったことになります。
前夜祭で頂いた渡辺棋王の名刺には「将棋がんばる!」と書かれてました。飛び抜けた才能の持ち主だけに、名人になれないなんて言わずに頑張ってほしいです。(B級1組では応援したい先生方が多すぎる…)
福岡に初めて行きました。宗像大社は対局会場にもなった辺津宮だけ行きました。高宮祭場の神々しさ、発見された遺物が質・量ともに素晴らしくて行って良かったです!!
対局の翌日は太宰府へ行きました。光明禅寺の庭は美しかったし九州国立博物館も面白かった。しかし一番良かったのは福岡市に戻ってきてから行った福岡市博物館。名槍日本号が美しくて感動しました。龍の浮き彫りのある刀身、長い柄や鞘に施された螺鈿細工。「槍を手掛ける刀匠で腕に覚えのある者は生涯で一度以上、日本号写しに挑戦する、と言われることもある程である。」とwikipediaには書かれてますが納得の美しさで、今でも思い出します。満員ぎゅーぎゅーのバスに揺られて大変だったけれど、ほんと行って良かった・・・。
第3局も楽しみです。
立会人が谷川先生なので、前夜祭でお会いするのがすごくすごく楽しみなのです。ただ谷川先生は元会長としての立場もあるのでスポンサー筋への挨拶などでお忙しくて一般人が話せる機会はないかもしれません。(第1局、佐藤康光会長とはお話しする機会に恵まれず…。)
宮城県に行くのも初めて。伊達家ゆかりの史跡をめぐりたいと思います。
上達はこだわりなくす気持ちから
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サイン本なのでつい買ってしまったけれど読まずに積んでいたこの本を最近読み始めました。
片付けながらパラパラっと見たところに「将棋で上達の妨げになるのは自分のこだわりに固執するところが大きい気がする。意固地になる、負け嫌いになる、好き嫌い、こだわりが多いなど・・・」とあってハッとしたのです。
負け嫌い、戦法の好き嫌い(相振りはイヤ、相居飛車は難しくて指せないとか)、形へのこだわり(角道を止めるのがイヤとか、左金をつい左に上ってしまうとか、居飛穴側から角交換を迫るのがイヤとか…)、いろいろ思い当たる節がありすぎ。こだわりをなくして、アドバイスや定跡手順を素直に受け入れて指すことが大事ということですね。
ほかにも上達のヒントがあるのではと読み進めています。
1日分が、駒落ち次の一手と詰将棋で構成されているのですが、全部で40日分のうち26日めで既に詰将棋は7手詰。駒落ち次の一手は5枚落ちだというのに…。けっこうきついです。駒落ち次の一手は間違いまくりで自分の中盤力のなさにショックを受けます。(いやー元からわかってはいるけど)
難易度的には2枚落ちまでで比較的詰将棋が得意な人にしかフィットしないと思うのですが、自分はその狭いターゲットに見事ハマっているのでちょうど良さそうです。