時間の使い方

長考派は時間で負けるのはある程度仕方ない、納得した手を指したい、と思ってるのでは。自分の場合はそうなのですが。
ただ、時間で負けても負けは負け。勝ち負けしか意味がない勝負将棋では時間の使い方が重要になります。

まずは自分の時間の使い方を振り返ってみます。
指す将第1局の対ほりさん戦。
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48手目の時点でほりさん残り7分、自分残り10分。序盤は時間的には優位に立てるのが、振り飛車を指すメリット。
形勢は、客観的には互角ですが自分としては良く指せてる方だと思っていました。序盤でもっと悪くなってて頭を抱えながら指すことの方が多いので。歩損で歩切れとはいえ主導権を握って攻めていけて自玉も堅いし。
予定は▲5三銀なのですが数で負けているところにブチ込んでいくので筋が良いとは思えないところ。▲4五歩で銀を動かして5三の地点の数を減らすとかありますが、歩損を拡大して玉頭に嫌味つけられるのでやりたい手でもなく。同飛と取られてなんでもない、という展開もありますし。

ということで、読むというよりは悩んで5分使いました。残り5分になって時間が逆転。

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52手目の局面。
△5三同金を読んでいたら△同角と取られてびっくりした局面。
直観は▲6五歩、しかし△同桂から5筋を抑えられる展開とか△同飛から成り込みが受からないとか攻められるのが気になりました。▲1一角成で馬を作っても△2二銀△1一銀打で捕獲することも可能だし。馬を捕獲されてしまうと角と銀香の二枚換えとはいっても歩切れで攻めの拠点がなくなってしまい一方的に攻められる展開になりそう。
▲8四銀なら▲7三銀成が△同飛と取られない(取ると▲6五桂で飛車角両取り)で桂を外せるので得、とこちらを選択。
▲5三飛成〜▲9七角で飛車金両取りの筋とか全く見えてませんでした。

ここで5分使って秒読みに突入。秒読みとはいっても1分あるのは30秒とぜんぜん違って心強いです。

ということで、序中盤については

  • 1分程度かけると、直観で見えなかった別の手が浮かぶ
  • それ以上かけても、見えない手は見えない、迷って時間を消費するだけになる
  • 相手の応手をいろいろ考えてもまず当たらない

「初級者は読む材料がないから時間をかけても無駄」と言われますが、振り返ってみるとまさにそのとおり。手が見えない(=良い手の候補が浮かばない)のに時間をかけても効率が悪いです。見落としも時間をかければ防げるかと言えばそんなことはない気がします。

  • 序盤で知ってる形の間は早く指して時間を残す
  • 中盤の勝負どころで1分〜2分程度使うのは許容
  • 中盤で時間を使うのは、先を読むよりも別の手を探すのに使った方が効率的(視点が局所的になりがちなので、戦場から離れた場所の駒を動かすのが盲点になりやすい。そして手筋を知らないと指し手が浮かばないので、初級者は手筋や形を覚えるのが重要)
  • 先の展開を読むのに時間を使うのは秒読みに入ったあとだけで良い
  • 切れ負け・1手30秒・1手1分で時間の使い方を意識的に変えないと
  • 集中していると気がつかないうちに時間が過ぎていてびっくりするので、時計には意識を残すように心がける

あとは時間の使い方をどう練習するかですね。同じ時間設定で練習しないとあまり意味がない気が。
序盤に◯分、中盤に◯分、終盤に◯分、という配分が意識して出来るかどうかチャレンジしてみようと思います。