KindleDXgを3週間使ってみて

洋書を少しでも読む人にはオススメ

英語の洋書を少しでも読む人で、液晶だと目が疲れると感じる人には本当にオススメできます。
amazon.comで売っているKindleEditionはもちろんですが、.mobiファイルは紙の本より読みやすいです。フォントの大きさが変えられるのがとにかく大きい!paperbackの細かい字や読みづらいフォントにゲンナリして投げ出した本がサクサク読めるようになりました。
もちろん、英辞郎で単語の意味を表示させられるのも便利ですし。
自炊洋書は、AcrobatOCR認識させたあと、html形式で書き出してからKindlegenで.mobiに変換するのがオススメです。html形式の段階で目次やOCR誤認識個所の修正ができます。
数式やソースコードが出てくる自炊洋書は.mobi形式に変換したら読めなくなってしまいますが、小説や人文系などで図版が少ない本なら、OCR誤認識部分は脳内補正して読み進めることが可能です。正直、AcrobatOCRは誤認識が多くて、前置詞や冠詞が他の単語と連結されてしまったり、ありえないところにアポストロフィがついてたりするのですが、まあ脳内補正できない範囲ではありません。そんな誤植満載状態でも文字が大きくフォントがくっきりしている方が元のpaperbackよりも読みやすく感じます。
amazon.comでは洋書のサンプルをガンガンKindleに送れるようになっているのですが、最初の1章を読めることが多いです。面白くて買いたくなってしまうことがしばしば。
Kindleを使い始めて、すっかり洋書を読むことが増えてしまいました。(自分の場合、洋書の方が読む速度が遅いので、洋書を読むことが増えると読書量が減るので痛し痒し)
ただ、.mobi形式の洋書を読むのがメインの使い方なら、KindleDXの大きさは必要なくて、小さいKindle3の方が便利に使えると思います。

日本語.mobiの表示はイマイチ

日本語の.mobiファイルを作って表示することも(Hackのおかげで)可能なのですが、あまり表示が美しくありません。横書き表示の行間が狭くて読みづらいのです。
短い文書ならOKですが、青空文庫を読むなら.mobiファイルを作るよりもPDFを作って読んだ方が快適です。.mobiファイルを作るときの設定でなんとかできるのかなあ。

自炊PDFViewerとしては、大きさが最大のメリットでもあり

Kindleはそもそも英語.mobiファイルを読むために最適化されていて、PDFを読む機能はおまけなんですよね。ハイライトやノート、辞書引きなど、.mobiファイルでは出来てPDFでは出来ない機能が多いのが切ないところです。(半角文字の検索とBookmarkは可能ですが。)ページ指定移動の操作が面倒なのも×。
ただ、普通にPDFファイルをめくって読んでいくだけなら十分です。
画面が大きく、横向きに持つと更に大きく表示できるところのがメリットを感じます。眼鏡を外して読むことが可能になったり、漫画は見開き表示させることができたり。
ただ、縦書きの本は、縦に長過ぎて読みづらくなったりします。文庫本は余白カット+ChainLPの2in1機能で見開き分を1頁にして、画面を横向きにして読んでます(操作はしづらくなるけど)。縦書きの単行本は余白を残すことでなんとか対応していますが、なんだか勿体ない感じがします。縦書きの本にはKindle3やSony Readerの方が良いと思います。

歳をとって文庫本の細かい字が見づらくなった人にとっては、スキャンしてKindleDXで読むのは大活字本の代わりになって読みやすそうです。アメリカでも高齢者へのプレゼントとして大人気らしいですが、日本でも青空文庫を満載にして、相手の好きな本(ウチの母だと池波正太郎とか山本周五郎とか)を詰めてあげるとプレゼントとして喜ばれそう。
日本版のSony Readerもそのあたりを狙っていると思うのですが、字を大きくするには画面が大きくないと一画面あたりの情報量が減り過ぎてイマイチなのですよね。7インチSony Readerの日本語版が出るといいと思うのですが。

積読対策に

Kindleに限らず、電子書籍Viewerはみんな、前回読み終わったところから開く機能を備えていると思います。この機能のおかげで、ちょっとづつ未読を消化していくことができてとても便利です。

容量不足は今のところ気にならない

ユーザ容量が3Gちょっとしかないわけで、平均60MB程度の自炊PDFだったら50冊しか入らないところなのですが、今のところ容量不足はあまり問題になっていません。

  • 現状では手持ちの自炊日本語PDFはほとんど既読の技術書なので、繰り返し読みたい本/出先でも読む本はごく一部。そのためKindleに入れておく本がそれほど多くない。
  • 自炊洋書は.mobi化したので容量が非常に少なくなった
  • そもそもamazon.comで買った本は.mobi形式で容量が非常に少ない
  • 青空文庫はフォント埋め込みPDFでも自炊PDFよりは容量が小さい(mobiならもっと小さくなるけれど)
  • PC側に同じデータがあるので、読み終わったファイルはザクザク消してしまう。また読みたくなったらKindleに入れればいいや、という運用

たぶん漫画を入れていたら容量不足が気になると思います。漫画は短時間で大量にサクサク読めて、しかも面白い作品なら繰り返し読みたくなりますから。
でも今後、技術書以外の本を電子化するために買うようになると、持ち歩きたくなる本が増えて困りそうです。

漫画ならiPad等では

Jコミの漫画を入れて読んでみましたが、KindleDXは漫画を読むにはあまり向いていませんね。漫画は読む速度が段違いなので、E-Inkの白黒反転が非常に気になってしまいます。液晶デバイスの方が良さそうです。読むのに時間がかかるコンテンツほどKindle向きです。
Jコミベルモンド Le VisiteuR面白いです。作者さんを是非応援したい!

Webは本当にオマケ

Kindle3はWebKitベースなので良さそうですが、KindleDXgのブラウザはNetFrontベースで性能が良くありません。外でWebを見るときというのは時間を無駄にしたくないケースがほとんどですが、画面が表示されるまでにすごく時間がかかるので、Kindleでのブラウジングはほとんど使っていません。Instapaperにクリップしたものをダウンロードするときと、携帯を忘れてgmailするときくらいでしょうか。携帯を忘れても、どこからでもメールができるというのはありがたいですが。

KindleDXにはWiFiがついてない

買うまで気づかなかったことなので、また書いておきます。(気づかずに買っちゃう人が出ないといいなあ。)
KindleDXはKindle3と違って3GのみでWiFiがついていないので、@free.kindle.comでの自動転送が使えません。WiFiがついてたらなぁ…と思います。

やっぱり重い

カバーを自作して最軽量クラスに抑えていると思いますが、それでも重さをひしひしと感じます。それでも、IS01だけを持ち歩いていた時に暇つぶししかできなかった時間に、ちゃんと本が読めるというのを有益に感じるので頑張って持ち歩いているわけですが。
持ち歩き用の理想は7インチで300gを切るSonyReaderDailyEditionですね。6インチ以下だとA5より大きい本が読めないので、自分にとっては7インチが下限サイズです。
7インチSony Readerの日本語版が出たら買い替えを考えるかもしれません。B5変形サイズの本はKindleDXだと縦向きでもなんとか読めるものの字が小さくなり、結局横向きにするんだったら7インチでも同じというか、ページめくりがしやすいだけ良いかなあと思ってしまうので。(7〜8インチのKindleが出たら、とも思うのだけれど、ありえないしなぁ。)