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iriver StoryHDレビュー

デジモノ 電子書籍

ページめくり速度

サイズを768x1024に調整したファイルではSonyReaderPRS-T1とあまり変わりません。ほんの少し遅い程度。しかし暗転している時間がやや長く感じます。文章モノなら問題になりませんが漫画を読んでいる場合、SonyReaderPRS-T1は白黒反転がそのうち気にならなくなるのに対して、StoryHDはいつまでも気になります。
特に、サイズ未調整のZIPは相当遅く、ファイルによってはボタンを押したかどうか疑うレベルです。ZIPを読めることが売りではありますが、調整が不要ではないと考えた方がいいと思います。
ただStoryHDは頁めくりボタンを押しっぱなしにすることで暗転せずに高速移動する機能が実に快適で、高速移動しながらでも大ゴマ系の漫画なら読めてしまいます。サイズ未調整でページめくりが遅いファイルでも、ボタン押しっぱなしである程度カバーできるのであまり困りません。
また、ページ送りし終わって少し経ってから、ようやく最下部のプログレスバーが消えるので、縦書きの本を読んでいるとプログレスバーが消えるまで待たされる感じになります。(追記:プログレスバーを隠すHackを適用すると、バーは最下部に太線が出るだけになります。縦書きの最初の行の下で待たされることがなくなります。)
なおサイズを768x1024に調整したファイルでは、ZIPとPDFでページめくり速度の差はほとんどありません。SDカードをclass4/class10と替えてもほぼ同じです。

本の管理

新しいSDカードを差してから読み込んで使えるようになるまでは速いです。2,3秒くらい。SDカード認識処理がいつまでも終わらなくなる不具合が報告されていますが、いまのところまだウチでは発生していません。
一覧表示をフォルダモードとコレクションモードで切り替えることができるのが便利。ウチではフォルダモードで使っています。(下フォルダへ行くにはENTER、上フォルダへ行くにはBACKボタンで操作します。)

PDFファイル

テキスト系のPDF(フォント埋め込みPDF。PCで見たときに文章を選択できるタイプのもの。MS-Wordから変換して作ったPDFや、OCRして画像+テキスト化したPDFなど)は、Optionメニュー→ReflowOn/Offを選択することでテキスト部分を本体PDFに埋め込まれたフォントで表示させることができます。文字サイズ変更も可能になります。
この機能、元のフォントが読みづらい自炊洋書PDFを読むには便利です。AcrobatでPDFの出力形式を「テキストとグラフィック」に設定してOCR処理をしたPDFを作っておき、普段はReflowOnにして読みやすいフォントで文字サイズを調整して読み、OCR誤認識でデータがバラバラになってしまっている場所だけReflowOffにして元の画像に近い形で読むといった使い方ができます。
日本語のテキスト系PDFでもReflowOn/Offできると思われますが、中華フォントなので使う機会がなさそう。本体フォントを差し替える機能があるといいのに←追記:日本語のフォント埋め込みPDFでもReflowOn/Offできます。その際にはPDFに埋め込まれたフォントを使って表示されるようです。本体フォントは使わないようで中華フォントにはなりません!

EPUBファイル

テキストベースのEPUBファイルしか試していませんが、縦横に表示切替でき、文字サイズ変更も可能です。
また、EPUBファイル内のline-height指定がちゃんと反映されるので、「日本語横書きだと行間が狭く表示されがちで見づらい」という電子書籍リーダーで一般的な問題も、EPUBファイルを自作するのなら対応可能です。
UserStyleModを適用して、フォントをコピーしてCSSファイルを作ると、好きなフォントでEPUBファイルを表示させることができます。

ZIPファイル

ZIPファイルは正立方向固定のようです。縦横に向きを変えて表示させることができません。

操作

ページめくりは、右手で持って右手親指でめくるなら

  • 長いバーの右端を押す(正立・横持ち、どちらでもOK)
  • 長いバーを下へ押す(正立・横持ち、どちらでもOK)
  • 矢印キー右を押す(正立のみ)

のいずれでも操作でき、特に横持ちのときはKindleDXよりは使いやすく感じます。
ただ、正立表示の際に左手で持って左手親指でめくるには長いバーを下へ押すしかないので、つらく感じます。自分は左手で持つことはほとんどないので問題ありませんが、左手で持ちたい方には不向きかも。
メニューは日本語表記も可能です。(でも中華フォントによる日本語表示なので英語メニューで使ってます。)

重さ

207gという重さは厚めの文庫本と同じくらいの重さ。片手で長時間持って片手で操作でき、使わなくても鞄に入れておいて負担に感じない重さの上限ではないかと思います。通勤だけでなく家でも文庫本代わりに使う気になります。ただ、160g台のSonyReaderPRS-T1は左手でも持ち続けられますが、StoryHDは右手専用です。

問題点

ときどきスリープから復帰しなくなります。スライド式の電源スイッチを長押ししたり、なんやらかんやらしているとそのうちに再起動がかかって使えるようになるのですが。これがかなりの頻度で発生するのが一番困ったところ。
また、電池持ちが意外と悪いです。機内モードONにしていてWiFiは使っていないはずですが、1週間に1度は充電しないとダメそうな感じ。(長押しによる高速ページ移動を多用しているので、画面書き換え頻度が多いのかもしれません)

総合的に

多少ページめくりが遅いし、メモ書きや線引きができないし、辞書は英語だけ。しかも本文を選択して辞書を引く機能はなく、キーボード入力なので辞書機能はKindleなどに比べると無いに等しいです。
機能は少ないし欠点はたくさんありますが、6inchで軽く、XGAの高精細画面で自炊データの細かいところがちゃんと読める端末は他にありません。フォルダベースの一覧表示は管理しやすくて便利です。PDFがReflowOn/Off切り替え可能で、ReflowOn時にもちゃんと埋め込みフォントを使って表示できるところはかなり嬉しい。EPUBもMod適用でフォントを変えられるということで、中華フォントはフォルダ名・ファイル名表示くらいしか見ないで済みそう。
割り切って使うにはアリかな、と思います。
最終的にはページめくり速度と高精細さ、どちらを取るかによるかで決まってくるでしょう。